五線譜で三味線1 愛のロマンス
このブログを使って、五線譜を使った三味線の演奏方法について、少しずつ解説していこうと思います。
「五線譜を使って三味線を弾く」といっても、それほど高い演奏技術や理論が必要とされるわけではなく、繰り返し練習をすることによって、誰でも身につけることができるスキルです。
今日は初回ですので、なじみのある曲を選んでみました。
三味線のチューニングは、「シ―ミ―シ(3本)」の本調子です。
(下の小さな画像をクリックすると譜面が拡大表示されます)
初回から3拍子になってしまいました。伝統的な三味線音楽は、ほとんどが2拍子の曲ばかりですので、少し抵抗があるかもしれませんが、四分音符ばかりですので頑張ってチャレンジしてみてください。
まずは、「カナ振り」と呼ばれる作業を行います。つまり、五線譜の各音符の下に三味線の糸譜を『漢字にカナを振るようにして』記述していきます。
小十郎譜(研譜)をお使いの方は、非常に簡単です。ドレミ・・・で読んだ音階を、123・・・という数字に置き換えていくだけの作業です。気をつけるのはオクターブで、五線のちょうど真ん中(第三線)の「シ」から上の音は、数字の右側に・を付けてください。
参考までに、上の練習問題画像には、小十郎譜(研譜)の音階表をつけておきました。
文化譜や家庭譜をお使いの方は、下記の音階表を参考に「カナ振り」してみてください。
変わったポジション(勘所)としては、楽譜3段目の2小節目、「レ♯」の音です。この音は伝統的な三味線音楽ではあまり出てこないため、少々慣れのいるポジションです。
「カナ振り」の作業が終わったら、次に運指を考えていきます。
今回の問題は、あまり運指に困るような部分はないようですが、冒頭の部分「シシシ|シラソ|ソファ#ミ・・・」の部分は、「ラ」と「ソ」に薬指を使い、「ファ#」で人差し指を使うと、比較的スムーズな運指になるでしょう。
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なじみの曲、ということなので見直してみたら、たしかに。試してみることにします。どんな感じに聞こえるのでしょう。
ちょうど呑気布袋を見て、あれは五線譜で演奏しているのだろうなあ、と思っているところでした。曲によって弾きやすいようにチューニングを決めていくのでしょうか。
先に曲名を書いてしまうと、譜面を見てではなく、音を探りながらなんとなく弾いてしまったりするので、曲名は書かないことにしました。
「呑気布袋」もそうですが、音楽集団での演奏では、全てのメンバーが五線譜で演奏しています。
三味線や箏(こと)の場合、たいては作曲家がチューニングの音程を指定してあるのが一般的です。ただし、譜面を眺めて、運指に無理がある場合などは、適宜そのチューニングを変更して演奏しています。
チューニングの音程を指定されていない譜面で、どうやってチューニングの音程を決めればよいか・・・、これはまた別の回で解説したいと思います。