【8/17日本橋】浮拍子(長唄二題の会)

110815_171110.JPG今日は、今週8月17日(水)夜に開催する「長唄二題の会」の練習日でした。
寄席で行う月例コンサートとして、約3年間、40回を重ねていますが、今回初めて長唄三味線の3人での三重奏を披露します。
曲は、杵屋正邦作曲『浮拍子』(1968年作曲)です。
杵屋正邦氏は、生涯の作品数が千に達するとも言われ、舞台や映画、テレビなどの多方面で活躍された作曲家でありました。
自身が長唄三味線方であったこともあり、氏の作品には、長唄のテクニックを表題とした面白い作品がいくつかあります。
例えば『呼応』(1964年作曲)という作品は、長唄の「清掻(スガガキ)」の技術を展開し、それだけで一曲を構成してしまったものです。
今回演奏する曲のタイトルになっている『浮拍子』という言葉ですが、長唄の中で「浮き拍子で(または浮き間)で弾く」という指示が出されると、奏者は拍子感を変えて演奏します。
具体的には、八分音符2つのリズムを、中抜きの三連符に変換して演奏します。阿波踊りのリズムというと分かり易いでしょうか。
この「浮き拍子(浮き間)」に対して、通常のリズムに戻すことを「常間」、逆に八分音符2つを頭寄せの三連符に詰めることを「コケ間」と呼びます。
何やら難しいことをやりそうな感じですが、「浮き間」も「コケ間」も、日本人が旧来身体の中に染み付いているリズム感ですので、聴いている側には違和感なく入って来ることでしょう。
果たして心浮き立つ「浮き拍子」となりますかどうか、乞うご期待です。

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