三味線演奏に関するFAQ

昨日の記事で、「メールのお問い合わせにも細かく対応いたします」と書きましたところ、早速メールでご質問事項をいただきました。
初心者の方が、割とよく悩まれるポイントでしたので、要約して掲載することにいたします。
(Q1)
二の糸に撥がきちんと当たりません。いわゆる「スカ撥」が多くなってしまいます。

(A1)
これは、一朝一夕にはなかなか習得が難しいと思います。
特にテキストの練習番号が進んでくると、右手のバチさばきよりも左手の運指が忙しくなってきますので、どうしても右手まで気が回らなくなります。
そこで、やはり「ひらいてとじて(・7-3-7-0-7-3-・7)」が重要な練習になります。左手を意識しなくてよい状態で、3つの手首の角度を切り替えてきちんと3本の弦をとらえていますでしょうか。バチ先の終点は、3か所定まっていますでしょうか。
「ひらいてとじて」を毎回、10分~15分最初に繰り替えししていただくことで、少しずつ糸に対する感覚が正確になってきます。
テキストの練習を進めながら、バチを意識するととても大変なので、上記のように、左手と右手に対する意識を分けて練習するようにしてみて下さい。
(Q2)
①四分休符の時は、左手指は糸を押さえたままでなく、必ず離すのですか?
②同じ音の連続の時は、左手指は押さえたままですか?押さえなおしてもどちらでもよいものですか?

(A2)
①の休符についてですが、結論からいうと、あまり意識はしなくて結構です。
譜面の規則にのっとると、|は四分の長さ音をのばし、○は四分の休符になります。ただし、初心者の方の場合、三味線の音が伸びないので、実際には四分の長さも余韻が残っていないことが多いです。
古典(長唄)を弾いていくと分かりますが、三味線の音を「切る」ということはほとんどありません。バチで叩いた瞬間の音が一番大きく、その後は短い時間で一方的に減衰するだけなので、あえて音を切ることをしないのです。
②については、三味線の場合、無駄な動きを極力省きますので、
同じ音程の場合には、左手指は押さえたままにして下さい。基本的に、次の「違う音程」を奏するギリギリ直前まで、前の勘所に左手指を置いておくのが原則です。①にも通じますが、休符であっても左手指を離してはいけません。
(Q3)スクイの度に、撥が薬指と小指の内側に食い込んでしまい、撥をもつ形が一定しません。
(A3)
レッスンの度に、「小指を外側に出して」と繰り返しいっているのは、このためで、小指が中に入っていると、スクイのときにバチのさい尻が動いてしまいます。
小指を外側に張り出して、それをバチのさい尻の支えにしてください。
(Q4)ハジキで棹が削れて来るのではないかと不安です。棹を触ると既に何だかギザギザのような溝があります。
(A4)
たくさん練習することでできる棹の溝を「カンベリ」と呼びます。
演奏していればかならず出来るものなのであまり気にせずに、ハジキの練習をしてください。
「カンベリ」はある程度深くなったら、棹の表面を薄く削ってまた平らな状態に戻します。三味線はこのカンベリ削りを繰り返すことによって、徐々に棹が細くなっていきます。
もう削れないというところまで三味線を使ってあげれば、三味線にとっても本望でしょうね。

YouTube動画でも三味線の演奏方法について解説しておりますので、合わせてご活用ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です