ネットオークションと三味線(その2)

さてさて、前回の記事からずいぶんと日が経ってしまいまして、もう2月になってしまいました。前回の最後にクイズ(と呼べるかどうかはともかくとして)を出しましたが、掲載の写真でその三味線の正体がお分かりになりましたでしょうか?
この三味線は、棹が樹脂でできています。また、胴の部分に張ってある皮も合成繊維で出来たフィルム状のものです。
それでも、写真で見たり、遠くから見ると、ちゃんとした木製の三味線に一瞬見えてしまうのが危険なところです。
どんな素材でできていても、それらしい音が出れば楽器としては合格なのですが、この楽器は、なかなか手強いです。我々演奏家が、かなりの強さで弾いても、普通の三味線の半分程度の音量しか出せないのです。
しかも、強く弾くと何とも耳に後味の悪い余韻が残ります。
今、小学校や中学校に少しずつですが和楽器が導入されています。これは学習指導要領に和楽器の実習が加えられたことによるものですが、この学校用「三味線」として、先述の樹脂&合皮三味線が結構な数量出回っています。
でも、この三味線を最初に触ってしまうと、三味線の一番楽しい部分(打楽器的な爽快感と、独特の音色)が味わえません。これでは、三味線の良さがわかってもらえないでしょう。
さて、オークションで三味線を購入することのリスクについては、前回も述べた通りですが、和楽器の場合には特に「鳴らない楽器」と「きちんと鳴る楽器」の落差が非常に大きいので(洋楽器や電子楽器と比べ)注意して下さい。
もし、三味線をすでに習っていたり、近くに相談できる演奏者の方がいれば、購入する前に相談してみるのが得策です。
それと最後に一点。和楽器全般に言えることですが、和楽器を修理できる職人さんが昨今減ってきています。このため、和楽器の修理代が、結構な値段になってしまうことがあります。従って、すぐに壊れてしまう中古品や、すでにどこかが故障しているジャンク品を購入するよりも、しばらくは修理せずに使える新品を買った方が、結果的に割安になることが多いでしょう。
hozumi

ネットオークションと三味線(その2)” に対して1件のコメントがあります。

  1. 山田紀子 より:

    突然失礼致します。オークションで買った三味線ですが、演奏会用としてありましたが、何故か犬皮がはってありました。響かないのは皮のせいかと表だけ猫に変えましたが、響きが少なく、どうも力がはいってしまいます。三味線やさんでは、全く使ってありませんねと言われました。上駒が象牙のようなのですが、こういう作りもあるのでしょうか。お店で買ったのでないので、あまりいろいろ尋ねにくく
    裏も換えれば響くのか用途が違うのかあれこれ考えております。まことに勝手なお伺いですが、検索しているうちにたどり着きましたので、ご助言いただければありがたいです。

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