三味線と独学

新しい楽器にチャレンジするスタイルとして、「見よう見真似で」というのは、基本的には賛成です。
やはり、見よう見真似であっても、その楽器を弾いてみたいという強い意思の現れだと思いますので、それは楽器に向かう姿勢としては極めて重要な要素といえるでしょう。
ただ、三味線という楽器は、「見よう見真似」、(いわゆる完全な独学)でのチャレンジに向かないといわれています。その理由を考えてみましょう。
・しっかりした音の出し方が解りにくい
アコースティックな楽器全般に渡って言えることですが、電子楽器と異なり、効率よい体重のかけ方や腕の使い方が分からないと、しっかりした(いわゆる、「芯のある」)音を出せないものです。
特に三味線の場合、三味線本体を腕の重さで支えつつ、その腕を動かすという相反する構えになりますので、コツをつかむまでがなかなか大変です。
さらに、三味線本体とのインターフェイスとして、大きくて重い「撥(バチ)」を用います。
・楽譜が不完全
三味線音楽全般について言えることですが、楽譜に記載されている情報が不完全なので、楽譜の規則を100パーセント理解していても、譜面のみから原曲を再現することは不可能です。
これには、もともとが譜面を介さずに口伝(くでん)によって教授されてきた歴史背景が原因であり、楽譜は曲を教えるための一教材でしかないためです。
・楽器を入手しにくい
我々演奏家であっても、初めての三味線屋に入るときは、少し緊張するほどです。ましてや、三味線を全く触ったことのない方が、このようなお店に行って、
「何の三味線がやりたいの?」と聞かれれば、かなり動揺してしまうでしょう。
三味線は、その奏でるジャンルによって、楽器自体のの規格が細分化していますし、独学での習得が困難な性質を持っているため、三味線屋さんとしても安易に楽器を売るようなことはしません。(その方が良心的なのです)
「お師匠さんに相談して」とか、近所のお稽古場を紹介してくれることもあるでしょう。
従って、初めて三味線をやってみるには、まず楽器を入手する時点でハードルがあることになります。
とはいえ、日本の伝統楽器ですから、故郷の屋根裏ですとか、蔵の中などから昔の三味線が出てくることも少なくありません。
これをなんとか使いたいところですが、木や象牙、犬猫の皮といった材質で構成されているため、比較的傷みやすいのです。
やはりここでも三味線屋さんか、専門家のお世話にならなければならないでしょう。
hozumi

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